嘘ってなんだろう?
自己防衛?悪しき魂にだけ宿る悪知恵かもしれない。
嘘は、普通、ひどく否定されるものだ。
嘘をつく人は信用出来ない、騙そうとしてきて怖い。
そう思うかもしれない。
でも、考えてみて欲しい。
嘘をつかない人なんているのかと。嘘を産まれてから死ぬまで一度も付いたことがない、という人は居ないと思う。
なぜそう考えるのかと言うと、人間が生きていくためには、ある程度嘘も方便だから、だ。
自分の気持に正直に生きるのは素晴らしいことだけど、それを貫くには、人との争いは避けられない。自分を信じていられれば、正直に誠実に生きるのが正しいと確信が持てれば、誠実に人と向き合えるのかもしれない。
でも、人はそこまで強くない。人の心は時に弱々しく頼りないものだ。嘘をつくにも度胸がいるが、正直に生きるのも、他人と争う覚悟が必要だ。僕にはそれがない、だから怖い。
難しい話はしたくないけど、やはり、嘘は、どこにでも潜んでいる。もしかしたら、あなたも僕も少なからず騙し合っているのかも。傷つくことを避けて、なあなあで生きてるだけなのかも。
それでも、たまには勇気を振り絞って、本音を言いたい時がある。
誰かに愛してると伝えて、誰かの心を揺さぶりたい。そう考えることもしばしば。
正直に生きることは、時として争いの火種を撒き散らすことになるけど、本来なら人は正直に生きたい生き物だと思う。
何かを食べたい、何かが欲しい、いっぱい眠りたい、気になるあの人とセックスしたい。
欲望は数え切れないほどある。それが叶えば、ストレスも少なくて済むんだけどね。
難しいよね、本当に難しいよね。
好きな人に、好きと言えたら。
嫌いな人と、離れられたら。
そう考えては、またしても僕は、自分に敗北している。
負けっぱなしの人生、これだけは嘘のない言葉だ。
事実だけを積み重ねて生きてこれたら、きっと強くなれるのに。
人の心は不確かで不安定で、そして、掴みどころがない。
気が変わりやすく、考えることも進化していく。
古い情報は切り崩され、新しい明日へと日々は向かう。
その毎日の中で、何がベストなのか、常にアンテナを張り巡らせて考えなきゃいけないと思う。
嘘のない言葉、そんな言葉に出会えたら。
嘘に塗れて本心を見失う今だから、誰かの何気ない愛に喜びたい。
心を潤して、前に進みたい。